見えぬからこそグッとくる!萌えマン漫画「咲 -Saki-」
2007年01月10日 15:31
(しばた@OHPのオススメ漫画)
にゅーあきば.comをご覧の皆さま、遅ればせながら明けましておめでとうございます。今年も相も変わらずぐだぐだとオススメ漫画を紹介していきますんで、よろしくお願いします。……と、挨拶はここまでにして本題の漫画の話に。昨年の最後は将棋漫画の快作「ハチワンダイバー」をオススメして締めくくったけれども、2007年は麻雀漫画で幕開け。といっても本作「咲 -Saki-」の単行本1巻が発売されたのは2006年のクリスマスのあたりなんだけど。
さて、麻雀漫画といえば、麻雀をやったことのない人にとっては「ルールわかんねー」という問題がつきまとうし、麻雀は分かる人でも「オヤジくせー」というイメージを持っている人がけっこういるかもしれない。しかし今回紹介する「咲 -Saki-」の場合、そんな心配は無用。まず出てくるキャラがかわいい女の子ばっかり。なのでオヤジ臭はまったくナッシング。ルールも分からなくてもあんまり問題ない。闘牌自体がさほど細かく描かれているわけではないし、何より女の子たちを眺めて萌えてるだけでも、十分に楽しめてしまう作品だからだ。
本作の主人公である宮永咲は、一見ごく平凡な女子高生。しかし麻雀激強な一家で育った彼女は、勝つと怒られるし負けるとあり金をふんだくられる家族麻雀で鍛えられ、いつしか「全局をプラマイゼロで終わる」という麻雀を身につけていた。基本的に家族麻雀しかやったことがなかった咲だが、ある日高校の麻雀部に誘われたことで状況が一変。咲は麻雀部で、勝つ麻雀の楽しさを知り、入部の決意を固める。また咲の特異な才能は、中学時代から天才麻雀少女として知られていた麻雀部メンバー、原村和(はらむら・のどか)のライバル心に火をつける。2人は良きライバル、友人としてお互い切磋琢磨し合いながら、チームメートたちとともに、高校対抗の麻雀大会で全国優勝を目指して戦っていくことになる。
■「咲 -Saki-」1巻~ 小林立 スクウェア・エニックス
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■左側中段が主人公の咲。ヌレスケ少女が和。彼女たちの通う学校の制服はとにかくスカートが激短い。さらに乳ラインもけしからんほどに強調しまくりなのだ!(第1巻30ページ)
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というあらすじだけ見ると、女の子が主人公でありながらものすごく熱血な麻雀漫画みたいに思えるだろう。まあ実際に麻雀も頑張ってはいるし、麻雀漫画としてもけっこう面白かったりはする。しかしそれと同じくらい、あるいはそれ以上に作者が頑張っちゃっているのが女の子たちを萌え萌えに描くことだ。表紙の絵とかを見ても分かるとおり、出てくるキャラクターは皆、たいそう愛くるしいかわいい娘さんぞろい。そして細部がやたら萌え度の高い描写で埋め尽くされている。
特に目立つのが制服のスカート。これがもうヤバいってなぐらいに短い。下からのアングルだけでなく、上からでもぱんつが見えそうなほどの短さ。しかしこの作品では、ものすごく見えそうなくせに、頑ななまでにぱんつそのものは見せない。「どう考えてもぱんつが見えるだろう」という角度であるにも関わらず、そこにあるのはつるんとしたおしりのラインばかり。「コレ、絶対はいてねえだろっ!」とか思ってしまうものの、そこは余人にはうかがい知れないミステリー・ゾーン。妄想の入り込む余地はバリバリだ。
また上半身も負けてはいない。咲たちの通う学校の制服は、なぜだか知らないが、やけにおっぱいが目立つ。通常時でさえ下乳のラインに合わせて服がぴったり張り付くし、そうでないときは服の透過率がやけに高くなり、下乳のシルエットがやけにくっきり浮かび上がる。しかしここでも乳そのものはけして見せない。また、麻雀シーンの構図取りも工夫が凝らされている。麻雀といえば基本的には上半身しか動かない競技。それなのにチャンスを見つけては立ちカットを入れたり、視点を下側にもぐりこませて太股周辺を描き込んだりという入魂のサービスぶり。
この至るところにちりばめられた「見えそで見えない」感が、殺伐としがちな麻雀漫画に潤いを与えまくり、健全な青少年たちの悶々とした心を常に煽り立てる。見せるばかりが能じゃない。見えないからこそソソられる。本当に大切なものは目には見えない。そんなことを痛感させられる一作といえる。
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