連載100回目だ! こんなときは「キミキス」だ!!
2007年03月03日 00:00
(しばた@OHPのオススメ漫画)
2005年の3月から始まったこの連載ですが、おかげさまで今回の2本同時更新で100回目に到達いたしました。どれだけアクセスがあるのかは知らないんですが、ここまで打ち切られることなく続いたのは、ひとえに読んでくださっている方々のおかげ。厚く御礼申し上げます。……ってなわけで今回は100回記念ではあるけれども、まあいつもと変わることなく、オススメ漫画を紹介させていただきます。
今回紹介する「キミキス~various heroines~」は、エンターブレイン作のゲームですっかりおなじみ、「キミキス」の漫画版。「ヤングアニマル」での連載開始当初からネットでもいろんなサイトで取り上げられ、萌え系なオタクの間では話題沸騰中な作品だが、2月末にようやく待望の単行本第1巻が発売された。
この作品はタイトルどおり「キス」にこだわったギャルゲー系のラブコメだ。サブタイトルが「various heroines」となっているけれども、主人公の光一視点で、いろんなヒロインたちとの恋愛、そしてキスが描かれていくという内容。そのストーリー展開は恋愛の甘ったるさ爆発。女の子はえらくかわいく、色っぽい表情を見せまくりで、一読すれば即撃墜といった感じの濃厚であまあまなラブストーリーに仕上がっている。
この第1巻で描かれるのは、光一の年上のおさななじみ、摩央姉ちゃんとのエピソード。学年が別なため、一緒に行動する機会が減っていた光一と摩央だが、2学期の訪れとともに急接近。「女の子にモテたい」という光一のため、摩央がモテ男になる&キスのレッスンをしてくれるといった感じでお話は進行していく。
「キミキス~various heroines~」1巻~ 作:エンターブレイン+漫画:東雲太郎 白泉社
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1巻 p.21
摩央姉ちゃんの甘~い誘惑。健全な青少年が、こんな色っぽいまなざしで迫られたら、もうひとたまりもナッシングだ!(第1巻21ページ) |
そんなわけで摩央が光一とつき合っていくわけだが、あ~、これがもうね、たまらんのですよ。摩央は恋愛指導的なことをいってはいるけど、昔っから光一のことが大好き。もちろん光一のほうもまんざらではない。二人がお互いを想う気持ちが、レッスンを繰り返し、キスするたびにどんどん増幅されていく様子は、目に毒なくらいに激甘。クラクラするほどのラブラブっぷりに思わずヤラれてしまう。
そして摩央姉の色っぽさももうタイヘン。ちまたで「エロいエロい」と評判のこの作品だが、最初のキスがひざこぞうへのものだったり、色っぽく見せる演出がたっぷり。またプールで摩央姉が光一の指をぱくんとくわえるシーンは、もうドキドキものの色っぽさだ。「Swing Out Sisters」のレビューを見ていただいても分かるとおり、この人はエロ漫画時代からすごくうまい人だったけど、この作品になってますます腕を上げている感がある。絵的にもまずます向上した。
あとお話的にもエッチとかには至らず、キス止まりなところが甘酸っぱさを増幅。キスまでの範囲でどれだけ甘く、色っぽく見せられるかに挑戦しているかのよう。あとサービスシーン盛りだくさんであるにも関わらず、あくまでゴールはキスであるため、ラブコメ的にもいやらしくなりすぎることなく、爽やかな読後感を残してくれる点も評価したい。摩央姉の、大人ぶって見せているけれども、実はけっこう恋愛初心者で初々しいというキャラクターにも胸がキュッとなる。
まあそんなわけで本作は、数ある萌え系ラブコメの中でも甘ったるさはトップレベル。作画が達者で色気もあり、読後感も良好。なんというか萌え系ラブコメに求められるであろうものが、これでもかとばかりに詰め込まれた充実の一作に仕上がっている。「キミキス」の漫画化にさいし、東雲太郎を登用したのはまさに適材適所。大正解だったといえるだろう。これはもう読むしかないでしょ!
この場を借りて宣伝です。本連載を担当しているしばた@OHPが、3月25日にエロ漫画について語りまくるトークイベント「エロマンガ・スタディーズ Vol.1」に出演することになりました。「最近のエロ漫画はどうなっておるのか?」「今オススメのエロ漫画はこれだ!」などなど、エロ漫画関連話をどっぷり語り明かす予定です。「エロ漫画話を聞きながら飲み食いしてえ!」という方はぜひお越しください。
場所:新宿ロフトプラスワン
開催日:3月25日(日)
時間:会場18時30分 開始:19時30分
出演:永山薫、伊藤剛、芝田隆広
入場料:1000円(飲食費別)