萌え萌えチャンピオンの新たなる刺客「ペンギン娘」
2007年02月10日 14:24
(しばた@OHPのオススメ漫画)
このところ、秋田書店のチャンピオン系列の雑誌がなんだかスゴい。何がスゴいかというと萌え系漫画への取り組みがスゴイのだ。昨年の6月にちょいエロ&萌え系の雑誌「チャンピオン烈」を立ち上げたかと思えば、12月には「主人公が全員15歳以下の女の子」というぶっとんだコンセプトの「チャンピオンREDいちご」を世に送り出して、ちょっとやそっとの萌え系では驚かないオタクたちをも、ビックリさせ半ば呆れさせた。
その勢いは増刊枠だけに止まらない。秋田書店の看板雑誌ともいえる「週刊少年チャンピオン」本誌にも、ビシバシ萌え系作品を投入しているのだ。このコーナーでも取り上げた、桜井のりお「みつどもえ」、哲弘「椿ナイトクラブ」といったところは萌え系大好きっ子たちのハートを直撃し、大いに話題を呼んだが、それに続けとばかりに登場したのがこの「ペンギン娘」だ。
前置きが長くなってしまったが本編の内容を紹介していこう。本作は、北極学園という中学校に、南極さくらという女の子が転校してくるところから始まる。さくらは天真爛漫でやたら明るい元気者。顔もけっこうカワイイんだけど、アニメとか漫画が大好き、趣味はコスプレというバリバリにオタクな女の子。作品内では「Aガール」と呼ばれてるけど「腐女子」「オタク女」といったほうが分かりやすい。しかもお嬢様で金は腐るほど持ってるので鬼に金棒。その突拍子もない行動、ていうか暴走に、クラスメートであるツンデレ系でやたら強い女子・択捉鯨(えとろふ・くじら)らは最初は戸惑うものの、なんだかんだいって仲良しさんになり、共にハチャメチャに賑やかな日常を送っていくことになる。
「ペンギン娘」1巻~ 高橋てつや 秋田書店
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天然腐女子の南極さくら(黒髪のほう)と、ツンデレ系激強娘の択捉鯨(左上)。激しいボケと激しいツッコミでなかなかいいコンビです(第1巻第2話より) |
そんなわけでこの作品では、主に学園を舞台にしてドタバタ劇が描かれていくわけだが、実のところこの作品、あんまり読みやすいとはいえない。4コマ漫画のコマ割りと、普通のコマ割りを頻繁に行ったり来たりする構成はガチャガチャしてるし、1話ごとのページ数も短くてじっくりお話を読み込ませるって感じではない。またお話もかなり唐突で、無茶苦茶の連続だ。
しかしそんなことはぶっ飛ばしてしまうくらいの勢いが、この作品にはある。ゴチャゴチャした画面の中に、萌え度の高い女の子たちをドカーンと大ゴマで配置する構成は、問答無用で目を引き寄せられる。画風は実にキャッチーで女の子たちは皆とてもカワイイ。さらにさくらがしょっちゅうコスプレするだけでなく、体操着、スク水、メイド服、チャイナ服など、14歳の少女の魅力を見せつけるようなファッションの数々で攻めてくる。さらにパンチラも多かったりするし、オタクの経絡秘孔をあたたたたたとばかりに突きまくってくる。
あとキャラが揃いも揃ってやたら個性的なのも面白い。さくら、鯨だけでなく、鯨を男の子と勘違いして彼氏にしようと迫ってくるチャイナ娘のシャー・チー、さくらを膝まづかせるべく攻撃をしかけてくるマリー・チュパカブラ・W・ホワイトベア、さくらの妹のかえで、おばあちゃん的慈愛パワーの持ち主・栗音ねねと、かわいくて一癖のある女子がてんこ盛りだ。そんな女子たちがフルパワーで暴走しガンガン仲良くしまくる様子は、毎日お祭り騒ぎのようで、すこぶるテンションが高い。とにかく混沌とした作品ではあるけれども、なんだかよく分からない楽しさとパワーに満ちあふれている。この先の展開がどうなるか全然予想はつかないけど、この勢いの良さは買える。「イキのいいピッチピチの萌え漫画を読みたい」って人は迷わずゲットだ!